【種類別】必要な屋根工事と耐用年数について

屋根には多くの種類があり、必要になるメンテナンスや工事も異なります。
本来は大きな改修工事をするべきなのに、軽い補修で済ませてしまうと、知らないうちに屋根が甚大なダメージを負っていることも。
あなたのお家の屋根は、適切なメンテナンスを行っているでしょうか。

今回は屋根の種類ごとに、必要なメンテナンスや屋根工事、耐用年数についてご紹介いたします。
ぜひ参考にしてみてください。

■スレート屋根

耐用年数 30年
タイミング 必要なメンテナンス
5年ごと 点検・補修
10~15年目 塗装
10~15年目 棟板金交換
30年目 葺き替え

スレート屋根はセメントと繊維素材でできている屋根材。
リーズナブルな価格帯であり、ロングセラーなことからたいていの職人は施工や修理に対応できます。
ただし、粘土瓦やガルバリウムに比べると耐久性が低いことからメンテナンスの回数は多く、点検時に割れやひびが見られたら交換などが不可欠です。

2000年ごろに製造は終了していますが、強度補正のためアスベストが含まれているものもあり、このスレートが使われた屋根を葺き替える際は資格を持った人でないと作業ができません。2023年11月からは石綿含有建材調査者という資格保持者が、自治体と労働基準監督署に報告しなければならないので、この資格を持った職人がいないと、工事を依頼できないので注意しましょう。

なお、1996~2008年に発売されていた「パミール」などのスレートはアスベストに代わる強度補正材がなかったため、通常のものよりさらに耐久性が低い傾向にあります。このスレートは割れやすいためこまめに点検し、早めに葺き替え工事を行うことをオススメします。

■粘土瓦

耐用年数 50~100年
タイミング 必要なメンテナンス
自然災害後など 点検・補修
10年目~ 漆喰補修
20~30年ごと 棟交換
20~30年目 葺き直し・葺き替え

日本瓦や欧風の住宅に使われる洋瓦などです。
塗装する必要がなく、ほかの屋根と比べて非常に長持ちなのが大きな特徴でしょう。
しかしメンテナンスは必要なので、台風や地震の後は念のため点検をお願いすることをオススメします。
また、棟などを支えている漆喰は経年劣化で剝がれてしまうので、放置してしまうと雨漏りのリスクがあり補修が必要でしょう。
葺き直し工事は瓦屋根特有の工事で、瓦の下にあるルーフィングシート(防水シート)を交換して、元のように瓦を葺く工事です。ルーフィングシートの耐用年数は20~30年と瓦よりも短いため、このような工事を行えば雨漏りを防げます。

注意点として洋瓦は生産中止になるものが多く、修理のために交換をお願いしても、新しい瓦を用意できないということもあります。

■セメント瓦・モニエル瓦

耐用年数 30年
タイミング 必要なメンテナンス
5~10年ごと 点検・補修
10年ごと 塗装
10年目~ 漆喰補修
30年目 葺き替え

セメント瓦・モニエル瓦はセメントと砂利が主成分の屋根です。
セメントには防水性がないため、元から塗装して防水性を付与していますが、経年劣化でこの塗膜が剥がれてしまうので、塗装工事が欠かせません。10年ごとのスパンで塗装を検討するといいでしょう。
また、棟に漆喰が使われているため、塗装と同じくらいのタイミングで点検・補修が要ります。
このセメント瓦・モニエル瓦はすでに生産が中止しているため、瓦一枚の交換も難しいことがあります。瓦のダメージが激しい場合や耐用年数に近い場合は、思い切って葺き替え工事をしてしまうのがいいでしょう。

■アスファルトシングル

耐用年数 20~30年
タイミング 必要なメンテナンス
5~10年ごと 点検・補修
10年ごと 塗装
20~30年目 葺き替え・重ね葺き

アスファルトシングルは、ガラス繊維の基材にアスファルトと石粒を吹き付けた屋根材です。
北米ではスタンダードなもので、日本だとログハウスに使われていることが多いでしょう。
柔らかく加工しやすいため、剥がれや浮きが見られてもセメントなどを使用して、簡単に補修することができます。棟がアスファルトシングルで覆っているか、棟板金を使用しているかのどちらかですが、棟板金なら10~15年で交換が必要でしょう。
経年劣化で石粒が取れてしまうことから、10年を越えたら水性塗料での塗装が必要になります。
下地が傷みにくいことから、葺き替えでなくても重ね葺きで済むことも。

■トタン

耐用年数 20~30年
タイミング 必要なメンテナンス
5~10年ごと 点検・補修
10年ごと 塗装
15年目~ 棟板金交換
20~30年 葺き替え・重ね葺き

トタンは金属鋼板を亜鉛でメッキ加工した金属屋根です。
構造上、亜鉛が先にサビて中の金属鋼板を守るため、よくサビます。サビが進むと穴が空いたり脆くなったりするので、10年ごとに塗装するといいでしょう。
また、棟板金も熱や風によって膨張を繰り返すことから、固定している釘が浮いて強風で飛んで行ってしまうこともあり、劣化が見られたら棟板金工事が必要になります。

■ガルバリウム

耐用年数 30~40年
タイミング 必要なメンテナンス
自然災害後など 点検・補修
15年目 塗装
15年目 棟板金交換
30~40年目 葺き替え・重ね葺き

ガルバリウム屋根は現在主流となっている金属屋根です。
アルミニウム・亜鉛・シリコンなどからできており、非常に耐久性があることから、メンテナンスも最小限に済みます。
金属ではあるので、サビのリスクはついてまわることから、塗装して防がないといけません。
ガルバリウムに限らず、金属屋根は軽量で表面が平らなことから、葺き替え以外に重ね葺きの選択もできます。

■共通して必要なメンテナンス

数多くの屋根がありますが、共通して必要な工事もあります。

・雨樋工事
屋根から伝って降りてきた雨水を受け止めるのが雨樋ですが、落ち葉やごみが溜まってしまうと雨水の排出がうまくいかなくなります。そのままだと水があふれた状態が続くため、軒先から雨水が吸われて雨漏りになることも。
雨樋は一年ごとに掃除して、古くなったら取り替えるといいでしょう。

・ルーフィングの耐用年数も考慮する
屋根材の下にはルーフィングという防水シートが張られています。
屋根は雨水の浸入を防ぐために2重構造になっているのですが、このルーフィングシートは20~30年ほどの寿命であることが多く、長い耐用年数をもつ瓦などと比べると短いです。
そのため、屋根材の耐用年数がまだまだで葺き替えが必要ない段階でも、ルーフィングを変えなければならないことがあるでしょう。

■まとめ
屋根によって必要な工事はさまざまですが、いずれにしても長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが必要なので、専門業者による点検を欠かさないようにしましょう。

田村興業は関西一円にて、瓦の葺き替え工事と重ね葺き(カバー工法)を承っております。
築30年前後を迎えた建物の多くは屋根工事のタイミングですので、ぜひ葺き替え等をご検討ください。
工事のご依頼や見積り、ご相談は下記より受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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