屋根工事は種類が多い!どれを選べばいい?

屋根工事の目的は、経年劣化や災害などによって脆弱になった屋根に、新築時のような防水性・耐久性・耐風性などを備えることです。
工事を行わずそのままにしてしまうと、雨漏りなどを引き起こす可能性が高く、雨水による腐食によって建物の耐震性などが大きく低下する恐れがあります。
建物に長く住むためには、屋根工事を避けては通れません。

今回は代表的な屋根工事と各屋根材ごとに必要なメンテナンス内容、屋根工事で適用される補助金についてご紹介したいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

■屋根工事の種類

屋根自体のリフォーム工事は葺き替え・重ね葺き・塗装の3つほどですが、比較的小規模な修繕や副次的な工事なども含めて紹介いたします。
お持ちの住宅に合った工事を検討してみてください。
費用相場・工事期間は一般的な住宅の大きさ30坪(約99平方メートル)で工事を行った場合の数字です。

・葺き替え

費用相場 工事期間
80~250万円 8~10日

葺き替えは古くなった屋根を撤去して、新しく屋根を葺く工事です。
屋根は瓦などの表面以外に、防水シートや野地板などのパーツで構成されています。これらをすべて取り替えるため、屋根の耐久性が一番高くなる工事と言えるでしょう。
また、技術革新が進んでいるため、現在の屋根材は昔よりも格段に耐久性も上がっているほか、軽量化が進んでいます。そのため地震にも強く、何年も防水性を保てるのが強みです。
費用価格は面積のほかに屋根材の種類、既存の屋根材、各パーツによって異なるため、相場は大きく差が開いています。

・重ね葺き(カバー工法)

費用相場 工事期間
80~150万円 7~10日

葺き替えとは違い、既存の屋根の上から新しい屋根材を葺く工事です。
元の屋根の形状が平らであることなどが条件ですが、比較的安価に行えるほか、葺き替えにはやや劣るものの強い耐久性を発揮します。
しかし、元の屋根の下地などは直さないため、雨漏りなどが進行しているなどのダメージが見られる場合はあまりオススメできません。
10~15年後に住宅を手放す予定で、長く住むよりは、住んでいる期間さえしのげれば、とお考えの方にはメリットが多い工事です。

・塗装

費用相場 工事期間
30~70万円 5~8日

屋根材は雨や紫外線にさらされることによって、次第に雨水を吸い込むようになってしまいます。
築10年ほどが経ったら、屋根材の上から塗料を塗って防水性を高める屋根塗装を検討してみてください。
見た目が美しくなるほかに、雨漏りのリスクも軽減されます。屋根にコケやカビ、ひび割れ、サビが見られたら塗装のタイミングしょう。
塗料のグレードによって費用が変わります。

・防水工事

費用相場 工事期間
70~100万円 4~7日

防水工事は屋根というよりも、屋上・ベランダ・バルコニーといった、下地がコンクリート仕上げになっている場所の防水性を上げる目的で行います。
屋根部分が平らになっていると、傾斜のある屋根と比べて水はけが悪く、劣化してできたひび割れから雨水が浸入すれば雨漏りや倒壊の可能性が……
そのため、塩ビシートやウレタン樹脂、アスファルトなどで下地を覆い、雨によるダメージが下に及ばないようにします。
商業施設の屋上駐車場は、たいていこの防水工事が施されており、雨や車による負荷に適応しています。

・太陽光パネル設置・脱着

費用相場 工事期間
84~140万円 1~2日

屋根工事と合わせて、太陽光パネルの設置を考える方も多くなりました。
賛否両論はありますが、太陽光パネルは電気代の節約や作った電気を売って収入を得られるメリットがあります。
現在は太陽光パネルの設置もできる屋根の施工業者もおり、二つを合わせたプランを提案されることもあるかと思います。
なお、太陽光パネルをもともと設置している住宅は、屋根工事を行う際に取り外しと再設置の必要があるので、工費が割高の傾向に。
太陽光パネルの寿命は25~30年とされており、これは大半の屋根の葺き替えや重ね葺きが必要となる年数と重なります。新築時から太陽光パネルを使用している場合は、撤去してしまったほうがいい場合もあるでしょう。
保証期間を過ぎていれば、修理用の交換部品を保存しておらず、性能の低下も考えられます。

・その他補修・修繕工事

費用相場 工事期間
1万円~ 1日~

屋根の全体ではなく、部分的なものでも補修工事をすることが可能です。
補修工事は直したい部分によってさまざまですが、瓦屋根は漆喰工事や瓦の取り替え、金属屋根やスレート屋根は棟板金の交換などが必要になるでしょう。
修繕内容と規模によるので、費用と工事期間は見積り次第といったところですが、100万円以上になることはないでしょう。
雨樋はどの屋根にもついているものですが、ゴミなどで詰まってしまうと排水が機能しなくなり、軒先が雨樋に溜まった雨水を吸い込んで劣化するなどのリスクがあります。定期的に点検することが大事でしょう。

■屋根材の割合について

一般社団法人日本金属屋根協会の調査によると、出荷されている屋根材の中で最も割合が多いのは金属屋根でした。
約10年前の統計結果に比べると、粘土瓦の半分ほどが金属屋根に変わっています。
金属屋根は丈夫で軽量のほか安価なことから、コストパフォーマンスに優れています。また重ね葺き工事では金属屋根を葺くのが基本のため、新築工事でもリフォーム工事でも需要があると言えるでしょう。

一般社団法人日本金属屋根協会「屋根材の統計 表1 各種屋根材の出荷動向」を元に作成)

 

一般社団法人日本金属屋根協会「屋根材の統計 表1 各種屋根材の出荷動向」を元に作成)

こちらの統計を元に、多くを占めている金属屋根・粘土瓦・化粧スレートに絞って、必要なメンテナンスを次の項目より解説いたします。

■金属屋根のメンテナンス

金属屋根は種類が多いですが、共通して丈夫なため、メンテナンスが少なくて済みます。
そのため、ガルバリウム鋼板であれば10~15年ごと、ステンレスであれば20~25年ごとにメンテナンスすれば、メーカーの公表している耐用年数30~50年を十分保てるでしょう。
金属屋根のメンテナンスは軽微であれば塗装・棟板金の交換・部分的な修繕などを行い、それ以上であれば重ね葺きや葺き替えになります。
台風のあとは変形していることがあるので、浮いている釘がないか、棟板金が外れていないか、点検することをオススメします。

■粘土瓦のメンテナンス

粘土瓦は洋瓦と和瓦が代表的で、とくに和瓦は耐用年数100年以上と屋根材のなかでは群を抜いた耐久性を誇ります。
しかしこれは瓦に限った話なので、ほかの屋根を構成する部分は定期的な修繕などが欠かせません。
粘土瓦に必要なメンテナンスは、漆喰の詰め直しや棟の積みなおし、割れた瓦の交換などで、塗装は必要ありません。
とはいえ、地震の際は地面に落ちるよう設計されているので、被害を受けた場合は大規模な補修工事になるでしょう。
表面が波打っていることから、瓦屋根は構造上重ね葺きができないとされています。

■化粧スレートのメンテナンス

化粧スレートはセメントを使用した屋根です。
金属屋根と同じく軽量のため地震に強いですが、経年劣化への耐久性は低く、築8~10年経てば塗装が必要になります。
化粧スレートは波打っている形状のものでなければ、屋根工事のほぼすべてが施工できるので、今後住宅をどうするかを考えたときに、適切な選択をしやすいでしょう。
災害などに関わらず点検が必要なので、棟板金の交換や浮き釘の修繕などを定期的に行うことになるでしょう。

■屋根工事で使える補助金・助成金

屋根工事を計画しているなら、自治体に申請すると補助金もしくは助成金が受け取れるケースがあります。
受け取れるポイントは、リフォームを行うことで省エネになる、耐震性が上がるということ。
例に挙げると、塗装工事で遮熱性・断熱性のある塗料を使用する、太陽光パネルを設置するなどの工事は省エネに該当するので、助成金を受け取ることができます。
また、2004年以前の化粧スレートは石綿(アスベスト)という有害物質を含んでいるので、葺き替えでの撤去作業に助成金が出ることから、あてはまれば工事費がお得になるでしょう。
屋根の補修や軽量化も、耐震化リフォームに該当することがあるので、金属屋根への葺き替えなどを検討しているなら、ぜひ自治体の助成金制度を調べてみてください。
また、災害によって被害を受け、修繕する際は火災保険が適用できるでしょう。

■まとめ

屋根材の種類によってはできる工事とできない工事がありますが、どの屋根も住宅を守る砦に変わりはないので、妥協せずに適切なメンテナンスを心がければ長持ちさせることができるでしょう。

田村興業は関西地方全域で屋根工事を承っております。
葺き替え・重ね葺きにも対応できますので、老朽化した屋根や災害によってダメージを負ってしまった屋根にお困りでしたら、ぜひお任せください。
お見積り・ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

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